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Q22.大腸にポリープがあると言われました。取らなくてもいいのでしょうか?

大腸ポリープには将来、大腸がんになる可能性のあるポリープと。大腸がんにはならないポリープとがあります。がんにならないポリープはそこにあるだけです。出血などの症状を引き起こす場合には治療することもありますが、多くの場合、そのままにしても患者さんの健康を損なうことはないため、治療の必要はありません。


大腸がんになる可能性のあるポリープとしては、腺腫とSSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)とがあります。腺腫は大腸内視鏡検査中に最も多く発見されるポリープで腫瘍です。腫瘍細胞は“勝手に”、そして“過剰に”増えます。結果的に腺腫は自分で”大きく”なり、細胞自体が”悪く”なって、大腸がんになる、と考えられています。手術や抗がん剤などの治療を必要とするような大腸がんの大半は、この腺腫から発生すると考えられています。ポリープ状の腺腫が症状を引き起こすことはありません。症状が無くとも行った大腸内視鏡検査において、この腺腫を発見し、それらを摘除することによって、将来の大腸がんの発生や大腸がんによる死亡を大幅に減らすことができると報告されています。したがって、大腸内視鏡検査において腺腫を摘除することは、患者さんのメリットになると考えられます。


もうひとつ、近年、大腸がんの原因として注目されているポリープにSSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)があります。専門家の意見は一致していませんが、SSA/Pも腺腫と同じように、自分で勝手に大きくなって、大腸がんになると考えられています。実際には大腸がんになるリスクが腺腫と同じ程度かどうかわかっていませんが、摘除することにより大腸がんを予防できる可能性があります。


では、いつ摘除すればいいのでしょうか?腺腫が大腸がんになるには5年から10年かかると考えられています。SSA/Pに関しても同様です。数mmの腺腫やSSA/Pが数ヶ月で大腸がんになることは考えにくいですから、いますぐに摘除する必要がないのも事実です。小さな腺腫やSSA/Pを摘除することが患者さんのメリットになるかどうかは、患者さんの背景、大きさや個数などをふまえた総合的な判断が必要となります。また、これらのポリープを完全に見分けることは難しいという問題もあります。


まずは、大腸がんになる可能性のあるポリープが疑われるのか、その場合、いつ摘除すればよいのか、今後の検査の計画などを担当医に相談されると良いと思います。


静岡県立静岡がんセンター 今井 健一郎

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