● 要旨 ●




原著

掲載号 Vol.42 No.4(2000)- 807頁
タイトル H.pylori除菌成功後に発生する上部消化管粘膜病変の臨床的重要性の検討
英文タイトル THE CLINICAL IMPORTANCE OF MUCOSAL LESIONS AFTER THE ERADICATION OF HELICOBACTER PYLORI INFECTION―A TWO-YEARS FOLLOW UP STUDY―
所属 杏林大学 第3内科
著者 渡辺一宏、星谷 聡、徳永健吾、田中昭文、今瀬教人、菅野 朝、二宮英彦、石田 均、高橋信一
要旨  近年、Helicobacter pyloriH.pylori)の除菌後に新たに出現したと思われる上部消化管の粘膜病変が注目されている。今回われわれは本粘膜病変について除菌治療によりH.pylori陰性が2年以上継続した胃潰瘍27例、十二指腸潰瘍31例、胃・十二指腸潰瘍12例、慢性胃炎7例の計77例を対象に検討を行った。2年間の発生率は、逆流性食道炎4/77(5.2%)、前庭部胃びらん13/77(16.9%)、十二指腸びらん8/77(10.4%)であった。これらの病変はH2受容体拮抗剤の内服にかかわらず発生し、また自覚症状や血清学的検査(血清ガストリン値、ペプシノーゲンIおよびII値、セクレチン値)による予測は不可能であった。除菌後のこれらの粘膜病変の多くが一過性で症状もなく臨床的に問題となる可能性は少ないと考えられた。しかし一部に遷延例3/77(3.9%)やH.pylori潰瘍再発2/77(2.6%)も認められており、さらに今後の長期内視鏡観察と病態機序の解明が必要である。
Key words H.pylori/eradication therapy/mucosal lesions
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杏林大学 第3内科 渡辺 一宏