● 要旨 ●




原著

掲載号 Vol.42 No.5(2000)- 953頁
タイトル 上部消化管内視鏡検査後の急性胃粘膜病変における組織学的検討―特にHelicobacter pyloriとの関連について
英文タイトル A HISTOLOGIC STUDY OF POSTENDOSCOPIC ACUTE GASTRIC MUCOSAL LESION : ASSOCIATION WITH HELICOBACTER PYLORI INFECTION
所属 北海道大学 第3内科
著者 仲 紘嗣
要旨  上部消化管内視鏡検査後の急性胃粘膜病変(以下PE-AGML)がH.pyloriによる急性感染像か否かを、PE-AGML発症前症例12例、発症後症例36例の胃生検組織にHE染色・ギムザ染色・免疫染色をおこない組織学的に検討した。
 H.pylori検出率は発症前症例で25% であったのに比較し発症後症例では69% と有意に高く、H.pylori密度は発症から胃生検までの日数が短いほど著しかった。好中球浸潤の陽性率も発症前症例で25% であったのに比較し発症後症例で92% と有意に高く、その程度も発症から胃生検までの日数が短いほど強かった。胃粘膜萎縮は発症前症例25%、発症後症例6%、症例全体では10% であった。腸上皮化生は各々33%、3% で、全体では10% であった。 これらの所見はPE-AGMLの大半が発症前にH.pyloriに感染していなかったことを示唆しており、ほとんどのPE-AGMLは組織学的にH.pyloriによる急性感染像と考えられた。
Key words 上部消化管内視鏡検査後の急性胃粘膜病変/Helicobacter pylori/好中球浸潤
別刷請求先 〒007-0868 札幌市東区伏古8条2-9-2 仲 紘嗣