● 要旨 ●




経験

掲載号 Vol.42 No.3(2000)- 296頁
タイトル 原発巣に対する内科的治療により止血可能で、経時的内視鏡観察が行えた十二指腸直接浸潤肝細胞癌の1例
英文タイトル CHRONOLOGICAL ENDOSCOPIC OBSERVATION OF HEPATOCELLULAR CARCINOMA INVADING THE DUODENUM WITH SUCCESSFUL HEMOSTASIS
所属 大阪府立病院 消化器代謝内科
著者 西田 勉、柴田 道彦、佐藤 智信、春名 能通、宮本 岳、 神田 勤、山本 重孝
要旨 症例は64歳男性。昭和60年10月よりHCV陽性肝硬変にて通院中、平成5年9月に肝細胞癌(HCC)の診断、以後HCCに対し計6回の肝動脈塞栓療法(TAE)を行った。平成8年5月腹部CTにてHCC再発を認め、入院待機中に吐血し、緊急入院となった。内視鏡にて十二指腸球部からの出血を認めたが、保存的治療にて止血した。HCCに対しChemolipiodolization施行。治療後内視鏡にて球部後壁から球後部に腫瘍を認め、生検、AFP染色、画像検査からHCCの十二指腸球部直接浸潤と診断した。以後、HCCの縮小を認めたが、平成9年5月にも十二指腸同部位にHCC浸潤を伴い再発。TAE及び経皮的エタノール注入療法施行し、再び十二指腸内腫瘍縮小を認めた。しかし平成10年1月HCC再発による肝不全で死亡した。本症例はHCC十二指腸浸潤による消化管出血が原発巣への内科的治療にて止血が可能であり、その経過を内視鏡にて観察し得た貴重な症例のため報告した。
Key words 肝細胞癌/十二指腸浸潤/消化管出血
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大阪府立病院 消化器代謝内科 西田 勉