● 要旨 ●




症例

掲載号 Vol.42 No.1(2000)- 20頁
タイトル 尋常性天疱瘡による剥離性食道炎の1例
英文タイトル A CASE OF PEMPHIGUS VULGARIS INVOLVING THE ESOPHAGUS
所属 奈良県立医科大学 第3内科
要旨  症例は48歳男性.飲酒後に少量の吐血とともに,約40cmの粘膜様白色索状物を吐出したため,精査加療目的で当院に入院した.上部消化管内視鏡検査では,食道のほぼ全長にわたる全周性の粘膜剥離を認めた.食道粘膜の生検組織像では,基底層上部に裂隙形成と棘融解細胞を認め,螢光抗体直接法では,粘膜上皮細胞間にIgGの沈着を認めた.さらに,抗表皮細胞間抗体に対する螢光抗体間接法も陽性であり,尋常性天疱瘡による剥離性食道炎と診断した.絶食のもとIVH管理を行い,H2-blocker,ステロイド治療により食道粘膜病変は治癒し,螢光抗体直接法および間接法ともに陰性化した.現在までに報告されている食道病変を伴う尋常性天疱瘡45例についての文献的考察を加えて報告した.
Key words 剥離性食道炎/尋常性天疱瘡/内視鏡
別刷請求先 〒634-8522 奈良県橿原市四条町840
奈良県立医科大学 第3内科  辻本 達寛