委員会報告
和文誌編集委員会からのお知らせ
和文誌投稿論文の英文誌Digestive Endoscopyへの推薦
先の第82回日本消化器内視鏡学会総会 評議員会により次のように決定いたしましたことを、報告いたします。
会員の学術研究を広く国際的に周知するための支援策として、和文誌Gastroenterological Endoscopyに投稿されました原著論文のうち,とくにその内容が世界に広く配布するに値すると委員会にて認められたものについては,英文誌Digestive Endoscopyに掲載を推薦するものとします。この場合、論文の英文化にあたっては、著者の希望があれば学会が費用及び負担を担うこととします。なお、和文誌にもsecond publicationとして日本語論文が掲載されるようになります。
会員の皆様には、是非このシステムを活用いただきますよう一層の論文投稿をお待ちしております。
日本消化器内視鏡学会
編集委員会
委員長 藤田 直孝
Digestive Endoscopy 編集委員会から会員の皆様へ
Digestive Endoscopy誌の2010年度Impact Factorが、O.946(Gastroenterology and Hepatologyのカテゴリー71誌中、59位)と発表されました。
本誌初となる2009年度のImpact Factorは0.333(同66誌中、62位)で、1年で大幅な伸びを達成することができました。
今後もWiley-Blackwell社の協力を得て、本ジャーナルの質と地位の向上に努め、より高いImpact Factor獲得を目指して精一杯努力していきたいと考えております。
会員の先生方におかれましては、論文ご執筆の際にDigestive Endoscopyの論文を積極的に引用して頂く等、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
ご参考まで2009年および2010年のDigestive Endoscopy 収載論文の一覧を掲載いたしますので、ご活用いただければ幸いです。
日本消化器内視鏡学会
(英文誌編集委員長 税所 宏光)
日本消化器内視鏡学会 消毒委員会報告
平成19年9月
日本消化器内視鏡学会消毒委員会
2005年2月に厚生労働省労働基準局長からグルタルアルデヒドによる人体障害防止についての通達があり、また、2005年12月には世界消化器病会議(WGO)および国際消化器内視鏡学会(OMED)が共同で作成した” Practice Guideline Endoscope Disinfection” (http://www.omed.org/downloads/pdf/guidelines/wgo_omed_endoscope_disinfection.pdf) においても、内視鏡機器の適切な消毒方法と医療従事者に対する消毒薬の安全な使用について注意を強く喚起しております。さらに本年6月には米国国立労働衛生研究所(NIOSH)からのグルタルアルデヒドを使用する内視鏡の安全管理に対するガイドライン(http://www.dow.com/biocides/glut/niosh_guidelines.htm)も公表されています。これらを受け、日本消化器内視鏡学会消毒委員会は内視鏡機器の洗浄・消毒の安全性に対しての注意事項をまとめましたので報告します。
1. グルタルアルデヒド(GA)使用上の注意
グルタルアルデヒドは揮発性であり、その蒸気および飛沫で呼吸器障害、アレルギー、角膜の混濁などの人体毒性が報告されています。それを防止する為に消毒室の環境および個人の取り扱いについては十分な注意が必要です。
(1) グルタルアルデヒドによる労働者の健康障害防止のため、消毒薬の添付文書に記載された使用上の注意を遵守すること。
(2) 作業環境管理及び作業管理
- グルタルアルデヒドを使用して、消毒作業が行われる屋内作業場では、空気中のグルタルアルデヒド濃度を測定し、濃度が0.05ppm*を超える場合には、有効な保護具を使用させることにより曝露防止を図るとともに、0.05ppmを超えないようにするため、以下の措置を講じ、効果を確認するため再度評価を行うこと。
- 1) 同等以上の効果があり、副作用の少ない他の殺菌消毒剤への変更
- 2) 密閉型の自動洗浄機の導入
- 3) 全体換気装置(換気扇を含む)の設置または窓の開放による全体換気 (一時間当たり作業を行う部屋の空気を10回以上換気可能な装置---米国消化器内視鏡技師会ガイドライン---)
- 4) 局所換気装置(フードを含む)またはプッシュプル型換気装置の設置
| 内視鏡フードの参考例 |
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- 5) グルタルアルデヒドへの曝露を低減させる作業方法への変更
- 6) 消毒薬による壁面や床への飛沫・流出がないよう取扱いに注意する。また汚染されても容易に除去できる設計上の配慮が望まれる。
(3) グルタルアルデヒドに直接接触するおそれの高い作業に従事させるときは、濃度が0.05ppmを超えない場合であっても有効な保護具を使用させ、蓋つきの浸漬容器を用いるとともに、熱湯でのすすぎや洗浄機内での加温時など揮発性の高まる環境での曝露を避ける。
(4) 健康管理および労働衛生教育
(5) グルタルアルデヒドの廃棄に際しては、廃棄経路からの蒸気曝露を含め、環境汚染に十分な注意が必要である。
- *注:グルタルアルデヒドの蒸気濃度は一定せず、攪拌等により一時的にかなりの高濃度となる。実際にグルタルアルデヒドの濃度を連続して測定することは困難であり、諸ガイドラインが示す安全な換気基準に従うことがその値をクリアする目安となりうる。
2. フタラール (OPA)使用上の注意
0.55%フタラール製剤(商品名:ディスオーパ消毒液0.55%、ジョンソン&ジョンソン株式会社)は、本邦で2001年11月の発売以来、揮発性が低く、消毒に要する浸漬時間が短いなどの特徴を有した内視鏡機器の消毒薬として使用されています。
しかし、近年は残留したフタラールとの関連が否定できないアナフラキシーショック等の重篤な急性毒性も多く報告され、緊急安全情報が出されています。また慢性毒性については解明されていない点も多く、”Practice Guideline Endoscope Disinfection”においても、被検者および医療従事者に対する人体毒性ついて厳重な注意が求められています。単に蒸気濃度が低いことを理由に、特性の理解が不十分のまま、換気や個人防御への対策なく、グルタルアルデヒドの代替品として選択することは危険であり、改めて取り扱いについての厳重な注意を喚起します。
公表された安全情報の概要
(1) 超音波白内障手術器具:水泡性角膜炎7例、角膜浮腫6例、角膜混濁2例
(2) 軟性膀胱鏡:アナフィラキシーショック4例
(3) 経食道心エコープローブ:食道の粘膜損傷1例
その他既知の有害事象
(1) 皮膚・粘膜などに接触した場合、黒色に変色させることがある。
対策
有害事象には消化器内視鏡とは直接関係のない事例も含まれるが、その重大性および消化器内視鏡と共通する背景も存在することを重視し、消毒委員会としては以下の対策を推奨します。
(1) 構造が複雑で、十分なすすぎの行えない器具には使用しない。ゴム製品など薬剤の吸着性のある器具についても同様な理由で使用しない。
(2) 消毒した後のすすぎを十分に行う。
(3) フタラール液の取り扱い時には、粘膜・皮膚への飛沫を防ぐため、ゴーグル、ガウン、手袋、マスクの使用が重要である。
(4) グルタルアルデヒド同様、適切な換気を行う。(匂いが少ない点、蒸気濃度が不明であることも十分に留意し、グルタルアルデヒド同程度以上の換気を推奨する)。
(5) 消毒薬の飛沫による壁面や床が汚染されないよう注意するとともに、また汚染されても除去しやすい構造とすることが望ましい。
(6) フタラールの廃棄に際しては、慢性毒性など不明な点が多いことを考慮し、環境汚染について十分注意を払わなければならない。
以上
