会告
日本消化器内視鏡学会 理事長就任にあたって
理事長 上西 紀夫
本年5月に開催されました第77回日本消化器内視鏡学会総会において、日本消化器内視鏡学会の第4代理事長に選任されましたので、就任のご挨拶を申し上げます。
本学会は昨年で創立50週年を迎え、これまで田坂定孝、﨑田隆夫、丹羽寛文の各理事長のご指導により大きく発展し、光輝あふれる伝統と素晴らしい業績を積み上げてまいりした。そこで、これらの実績を踏まえながら、今後の学会の方向性について述べたいと思います。
今回の理事長就任にあたり、主に以下の3つのことを課題として取り上げました。すなわち、多くの、若手の会員の参加によるさらなる学会の活性化、社会からの要請への適切な対応、そして国際化です。
まずこれらの活動を支える意味で、学会の組織体制を改変しました。すなわち、消化器内視鏡の診断と治療における急速な展開に対して、また、昨今の医療をめぐる問題に対応する目的で、これまで設置されてきた各種委員会や顧問制度の見直し、委員会の統廃合や新設を行いました。具体的には、新たに総務委員会、将来構想委員会、会則委員会、倫理委員会、医療安全委員会、ガイドライン検討委員会などを設置し、委員の任期制を導入して若手の会員に加わっていただくことに致しました。なお、詳細につきましては、ホームページ上に掲載予定の理事会報告をご覧下さい。
さて、内視鏡的治療は目覚しい発展を遂げ、その低侵襲性と優れた治療成績のため社会からの期待には大きなものがあります。そして、より効果的な治療成績を上げるためにはきちんとした診断、治療のエビデンスを構築していく必要があります。そこで検討すべき課題について、多施設共同研究やRCTを推進し、またその一方で、診断、治療におけるリスクや偶発症対策についても、エビデンスに基づいた検討と社会に向けた発信が重要となります。これらの問題については、学会が中心となってリードしていく責務があると考えております。
もうひとつの大きな課題が国際化です。本学会ならびにアジア太平洋消化器内視鏡学会(APSDE)のOfficial Journalである「Digestive Endoscopy」がPubMedに収載され、いよいよ1年後にはインパクトファクターが付くことになりました。これまで英文誌の発展にご尽力された皆様方のご努力に心より感謝を申し上げますと共に、会員の皆様には多くの投稿と掲載論文の引用をお願いいたします。さらに、国際化はこれだけではありません。わが国の消化器内視鏡学は世界のトップレベルであることは周知のことですが、残念ながらその業績の世界への発信が十分でないことが問題です。そこで、世界的会議への積極的参加と学会総会におけるインターナショナルセッションの企画を推進し、また、海外からの研究者受入れの助成を行うなど、国際交流を深める中でその目的を達成したいと考えております。
以上、学会の方向性について簡単に述べさせていただきました。この度、会員数として約3万2千名を有するこの大きな学会の舵取りをさせていただくことになり、その責務の重大さに改めて身も心も引き締まる思いです。学会のさらなる発展、そしてそれを通しての社会貢献の推進のためには会員の皆様の積極的なご支援、ご指導が不可欠です。何卒、よろしくお願いいたします。
平成21年8月吉日