3.2)下部消化管内視鏡検査と治療

Ⅰ. 大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査では、大腸(結腸と直腸)と小腸の一部を観察するために肛門から内視鏡を挿入し、これらの部位に発生したポリープや癌、炎症などを診断します。組織の一部をとって調べたり(生検)、病変を内視鏡的に切除(ポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術など)することもできます。

1. 大腸内視鏡検査の受け方

(1) 事前検査

(2) 検査の前処置

ただし、排便状態が十分ではないときには下剤の服用を追加したり、浣腸を追加することがあります。

(3) 検査当日の手順

(4) 検査後の行動、注意事項

2. 大腸ポリープまたは早期大腸癌の内視鏡治療

3. 大腸内視鏡検査の偶発症

組織検査のため一部をとって調べたり、ポリープの切除などの治療を行うことがありますが、ごくまれに出血や穿孔などの偶発症を起すことがあります。万が一偶発症が起きた場合、入院や緊急の処置・手術が必要になることがあります。なお、大腸内視鏡検査および治療に伴う偶発症発生頻度は全国集計(1998年から2002年の5年間)で0.069%(1449人に1名の割合)でした。

Ⅱ. 小腸内視鏡検査

小腸は長いため、これまで長い間内視鏡で観察することは困難でしたが、この頃はカプセル内視鏡やバルーン内視鏡の登場により、小腸すべてを観察することが可能となりました。

これらの検査を行っているかどうかを事前に施設にお問い合わせください。

1. カプセル内視鏡

薬のカプセルよりも少し大きなカプセル内視鏡(長さ26mm、幅11mm)を飲んだのち、カプセルが消化管の動きによって徐々に進みながら、1秒間に2枚ずつ撮影していきます。7~8時間にわたり計5万~5万5000枚の画像を撮影し、腰に取り付けたレコーダーに記録します。これをあとでコンピューターで動画として解析します。患者さんの負担が少なく、小腸全体を観察することができますが、食道や胃、大腸は十分に観察することはできません。小腸にたまっている内容物の影響や、撮影時間に限りがあるため、小腸の奥のほうを観察できないこともあります。また、組織検査のため一部をとったり、治療することはできません。

カプセル内視鏡カプセル内視鏡

a. カプセル内視鏡検査の受け方

2. バルーン内視鏡

バルーン内視鏡とは、長さ2mの長いスコープとバルーンの付いたオーバーチューブを組み合わせたものです。バルーンを膨らませたりへこましたりしながら、オーバーチューブとスコープを進めたり引いたりすることにより、長い小腸を折りたたむように縮めながら奥へ進んでいきます。この方法の開発により、小腸全体を内視鏡観察することができるようになりました。

バルーン内視鏡(ダブルバルーン内視鏡)

a. バルーン内視鏡検査の受け方

3. プッシュ式小腸内視鏡

バルーンのついていないスコープを用いて、上部消化管内視鏡検査と同様に経口的にすすめることにより小腸に内視鏡を挿入する方法です。観察できる距離は長くはありませんが、手技が容易で、検査時間も短くなっています。


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