一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 Japan Gastroenterological Endoscopy Society

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理事長挨拶

日本消化器内視鏡学会 理事長就任にあたってのご挨拶

理事長 井上 晴洋

 

 本年5月31日から6月2日に開催されました第97回日本消化器内視鏡学会総会(東京)において、日本消化器内視鏡学会の第6代理事長に選任されましたので、就任のご挨拶を申し上げます。日本消化器内視鏡学会は、数年間の準備期間を経て1959年(昭和34年)に日本胃カメラ学会として設立されたとお聞きしております。何と私が生まれたのが1958年(昭和33年)ですので万感の思いであります。本学会は既に34,000人を超える(2019年5月現在)会員数を有する巨大な学会です。これまで田坂定孝、﨑田隆夫、丹羽寬文、上西紀夫、田尻久雄(敬称略)の歴代の理事長の強力なリーダーシップのもと、輝かしい歴史が築かれ、世界に冠たる多くの業績を挙げてきました。最近は田尻久雄前理事長(現 特別顧問)のもと関係各位の並々ならぬご尽力により、多数の重要プロジェクトが進行しております。まずは、それをしっかりと継続し、さらに大きく発展させることが私の務めと考えております。今後もこれまで同様に、会員の皆様の変わらぬご支援・ご協力を賜りまして、本学会と内視鏡医学のさらなる飛躍・発展を目指す所存でございます。

 

1.専門医制度

専門医制度におきまして、本学会の位置づけは極めて重要な事案でございます。これまで田尻久雄前理事長・田中信治理事をはじめとする関係各位のご尽力により、新専門医機構におきましても、本学会は非常に高い評価を得ております。今後、さらに機構本部、関連学会との緊密な連携を図り、会員の先生方にとりまして最良の結果となりますように理事会一丸となり、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

2.JED(Japan Endoscopy Database)プロジェクト

内視鏡診断・治療の全症例登録をおこなおうという世界初の画期的なプロジェクトであります。これが完成されますと、日本の質の高い内視鏡診療が自動的に全国データとして登録されるわけであります。多くの研究発表や全国の内視鏡診療状況の把握に大いなる貢献をすることが期待されます。JEDはすでに独立法人化しておりまして、今後、高い発展性を有しております。

3.国際化事業の継続とさらなる発展

海外の学会との交流として、2011年から始まりました、欧州消化器内視鏡学会(ESGE)との合同シンポジウムも既に16回を迎えており、毎年多数の参加者を得まして、注目の主題セッションになりつつあります。並びに2014年5月から始まりました米国消化器内視鏡学会(ASGE)との合同シンポジウムも今年で12回を迎え、米国側からも高い評価を得ております。欧米におけるJGESの存在を高めることは、世界戦略のなかで極めて重要であります。これまで以上に注目のプログラムになりますように鋭意努力をしてまいりたいと考えております。2013年度から始まりました短期海外留学制度もこれまでに13人の新進気鋭の若手内視鏡医が留学されており、今後、国際的に活躍され、次世代のリーダーになられることが期待されます。一方、日本はアジアのリーダーであらねばなりません。アジアの若手医師を日本に招聘するJGES STARS Programも本年で第2回を迎えております。日本がアジアのリーダーとして評価されるためには、アジア各国の内視鏡医学を背負って立つであろう多くの若手留学生を広く受け入れていきたいと思います。

4.英語セッション

アジアだけを考えても、台湾(DEST)、韓国(IDEN)、香港(IDDF)、シンガポールなども英語の国際学会を毎年定期的に開催しています。日本消化器内視鏡学会が海外に認められるためには、英語化は必須です。仮に日本語のみに固執しますと言語の壁によりアジアの国々の支持をえることは不可能となりかねません。英語セッションの強化は最大の課題のひとつと認識しています。英語での討論が可能なセッションは着実に英語化していくことが急務と考えます。具体的には、春・秋の年2回の学会期間中は、期間中のどの時間帯も、一つか二つの会場においては、終日、英語による発表と質疑応答を徹底することが期待されます。またアジアを中心に海外から来日する先生方との積極的な交流を図るとともに、次世代を担う若い先生方にさらなる英語力と国際競争力をつけていただければと思います。JGESの会員のみなさまとともに、10年後を見据えて、みんなで英語がうまくなれればという思いです。

5.Digestive Endoscopy

英文機関誌であるDigestive Endoscopyは前編集委員長の坂本長逸前理事、また現編集長の松本主之理事はじめ、編集委員の先生方の並々ならぬご尽力により、2018年度にインパクトファクター(IF)が3.640(2018)まで上昇しましたが、さらに引用率を高めていただき、GIEやEndoscopyと肩を並べる国際的ジャーナルとして定着させることに一丸となって取り組みたいと思います。

6.世界的視野に立った産学官共同事業

これまでの先達のご尽力により、幸いなことに内視鏡事業は、日本の主要メーカーだけで世界のシェアーのほぼ100%を押さえています。このような産業形態は他に類をみません。このアドバンテージを最大限に生かす意味から、産学官が緊密な連携を図りつつ、果敢かつ効果的な世界発信をおこなわなければなりません。言うまでもなく内視鏡医学は、癌の早期発見から治療まで、その低侵襲性からも、人類の健康増進・福祉に直結することは疑いがありません。航空業界、自動車メーカーの近未来像からも明らかなように、今後、コンピューター化、AI化、IT化が急速に進むことは自明のことで、国を挙げての産学官の共同作業が大きく期待されます。

 

 ご挨拶の最後となりますが、いうまでもなく、本学会は、会員の先生がたのために存在いたします。そして、内視鏡医学の発展をもって、引いては患者さまの福利厚生にさらなる貢献を果たしていくことがその社会的使命であります。会員の皆様のより一層のご指導とご支援をいただき、人類の福祉に貢献できればと考えております。

 

2019年6月15日