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Q10.上部消化管内視鏡検査の前処置、前投薬は何のために行うのですか?

胃癌や食道癌は進行した状態で発見されると治すことは困難ですが、早期に発見されると完全に治すことが可能です。


早期の病変は内視鏡で見てもかたちや色の変化がわずかですので、胃の中に食物が残っていたり、粘膜を粘液や泡が覆っているとそのようなわずかな粘膜の変化をみつけることができません。また、異常をみつけたとしても、それが良性なのか悪性なのか、また、悪性であった場合に内視鏡切除が可能なのか外科切除が必要なのかなどの判断も困難です。


そのため、病変の発見や診断をより正確に行うことを目的に、検査の前夜や当日の朝から絶食をしてもらい、検査の前に粘液溶解剤や消泡剤を内服してもらいます。


早期胃癌を内視鏡治療ですべてなおせるか


また、食道や胃を詳しく観察するうえで、食道や胃の蠕動運動が観察の妨げとなることがあります。そのため、ブスコパンやグルカゴンといった鎮痙剤(消化管の蠕動を抑制する薬)を検査前に注射します。心疾患や緑内障、糖尿病などがあるひとは副作用が出ることがありますので、問診で確認をします。最近は、ℓ-メントールという内視鏡時に胃内に直接投与する鎮痙剤も発売されていて、投与禁忌が少なく胃内に直接投与するため、投与禁忌の問診や注射の手間がありません。


このように少しでも正確な診断を行うために、内視鏡検査時にはいろいろな工夫がおこなわれています。


大阪府立成人病センター 上堂 文也

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