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Q3.内視鏡検査で鎮静薬を使用することのよい点と悪い点は何ですか?

01内視鏡検査で鎮静薬を使用することのよい点と悪い点は何ですか。

のどの奥に触れると反射により吐き気や嘔吐(おうと)といった苦痛がみられます。上部消化管内視鏡検査ではのどを麻酔することによって反射をおさえて苦痛をやわらげます。しかし、それでもなお苦痛を感じることも少なくありません。また、大腸内視鏡検査では内視鏡を挿入する際に大腸を伸ばしたり、大腸の中を広げて視ようと空気(または炭酸ガス)を入れすぎるとお腹がはったり、痛くなります。このような場合に鎮静薬などを注射することにより意識を低下させて緊張をやわらげ、苦痛を軽くします。多くは呼びかけに反応する程度の量を注射して検査を行います(意識下鎮静)。血圧が下がったり、呼吸が弱くなることがありますので、検査中と検査後も意識がはっきりするまではモニターをつけて監視します。検査が終了しても薬が効いているためしばらく休んでいただきます。これらの薬を使用する場合には検査当日に自動車やバイク、自転車の運転を控えていただきます。


鎮静薬のよい点と悪い点

よい点 悪い点
  • 意識がぼんやりした状態になる
  • 検査の不安やストレスがやわらぐ
  • 検査による苦痛や不快感がやわらぐ
  • 検査が繰り返し受けやすくなる
  • 意識がなくなることがある
  • 血圧が下がることがある
  • 呼吸が弱くなることがある
  • 検査後しばらく休む必要がある
  • 検査当日の運転を控える必要がある

02内視鏡検査で鎮静薬を使用する施設と使用しない施設があるのはどうしてですか。

内視鏡検査で鎮静薬を使用することが多い施設では、内視鏡検査の不安やストレスと検査による苦痛や不快感をなるべくやわらげることをモットーとしております。最近では「苦痛のない内視鏡」を望まれる患者さんも多くみられます。検査も一回限りではなく、繰り返し受けていただくことも多いため、検査が楽に受けられることよって内視鏡検査を希望しやすくなると考えます。
一方、鎮静薬を使用することが少ない施設では、使用しなくても患者さんの多くは多少の苦痛はあるものの検査が可能であり、医師の技量とともに医師と患者さんとの信頼関係によって検査に伴う苦痛がやわらぐこともしばしばみられます。また、鎮静薬を使用することにより血圧が下がったり、呼吸が弱くなることがみられることや、検査終了後に薬の効果がなくなるまで休むための部屋のスペースが足りないなどの理由があげられます。
最近では細い内視鏡を鼻から挿入する経鼻内視鏡を施行することによって苦痛がやわらぎ、鎮静薬を使用しなくても検査を楽に受けることも可能となっています。鎮静薬を使用するかどうかは担当医師とよくご相談ください。


鎮静薬の使用が多い施設と少ない施設での理由

使用の多い施設 使用が少ない施設
  • 検査の不安やストレスがやわらぐ
  • 苦痛や不快感がやわらぐ
  • 患者さんが苦痛のない内視鏡を望む
  • 検査が受けやすくなる
  • 多少の苦痛はあるものの検査は可能
  • 鎮静により血圧が下がることがある
  • 鎮静により呼吸が弱くなることがある
  • 検査終了後に休むための部屋のスペースが足りない
  • 経鼻内視鏡の選択

03内視鏡前に消化管の動きをおさえる薬を注射するのはなぜですか。必ず必要ですか。

消化管には食べ物を先に送りだすための運動がみられます。検査する時にこの動きが強いと観察や処置が困難になることがあります。このため、動きをおさえる薬を内視鏡検査の前に注射します。ただし、心臓の病気や緑内障、前立腺肥大症、麻痺性イレウス、甲状腺機能亢進症、コントロールの悪い糖尿病、褐色細胞腫をお持ちの患者さんにはこの薬を使用することはできません。
しかし、注射をしなくても検査を行うことも可能です。また、内視鏡検査中に胃の中に薬をまいて胃の動きを抑えることも可能です。


埼玉医科大学消化器内科 今枝 博之
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