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Q4.胃ポリープについて、過形成性ポリープと胃底腺ポリープの違いは何ですか?

01過形成性ポリープと胃底腺ポリープ

胃ポリープとは胃に発生する上皮性、良性、隆起性病変のことをいいます。広義には腺腫、粘膜下腫瘍、癌など胃の中に隆起した病変の総称として使用されることもあります。胃ポリープは過形成性ポリープ、胃底腺ポリープ、特殊型(炎症性、症候性、家族性)に分類されます。一般診療で多くみられるのは過形成性ポリープ(写真1)と胃底腺ポリープ(写真2)です。それぞれの特徴を表1に示します。「過形成性ポリープはヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)陽性(感染している)で萎縮性胃炎を背景に様々な病変を併発すること」、「胃底腺ポリープはH.pylori陰性で病的意義のない所見であること」は理解しておくべき大切な事項です。「過形成性ポリープは悪玉、胃底腺ポリープは善玉」であり、高脂血症の「LDLコレステロールは悪玉、HDLコレステロールは善玉」と同じように考えるとよいでしょう。胃X線(バリウム)検査での両者の鑑別も大切で、胃底腺ポリープを内視鏡検査で再検査することは患者さんに不利益となります。今後、H.pylori陰性者や胃食道逆流症(GERD)などでプロトンポンプ阻害薬の服用者が増加すると、胃底腺ポリープに遭遇する機会も増加することが予想されます。なお、胃底腺ポリープでの癌発生例も報告されていますが、その頻度はきわめて低いと考えます。


02ポリープのフォローアップと切除の適応

過形成性ポリープも基本的には経過観察でよい病変です。まずは大きさ2cm以上で増大傾向、癌化(癌の併存)の可能性、出血のあるものを切除(ポリペクトミー)の適応と考えます。抗凝固薬、抗血小板薬を服用している場合は、休薬による脳心血管イベントのリスクを比較衡量し、切除の適応を慎重に決定すべきです。よほどの貧血進行の原因でなければ、控えたほうがよいでしょう。特に超高齢者では切除の適応はありません。胃底腺ポリープの処置は原則、不要です。


写真1 過形成性ポリープ 写真2 胃底腺ポリープ
写真1 過形成性ポリープ 写真2 胃底腺ポリープ


表1 過形成性ポリープと胃底腺ポリープ

  過形成性ポリープ 胃底腺ポリープ
色調 赤い 周囲粘膜と同様
個数 1個〜数個 数個〜多数
大きさ 大小様々 2、3mm
好発部位 どこでも 胃体部大弯
背景に萎縮性胃炎 あり なし
H.pylori感染 あり なし
癌化 稀にあり なし
生検や切除の適応 時にあり なし


東京女子医科大学消化器病センター消化器内視鏡科 中村 真一

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