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Q19.昨年検診で便潜血反応異常を指摘され、大腸内視鏡検査を受けました。今年も受ける必要がありますか?

便潜血反応の異常を指摘され大腸内視鏡を受けられた場合、その後の検査については大腸内視鏡検査の結果によって判断するのが良いでしょう。


01大腸内視鏡で「異常なし」と言われたら…

初回の大腸内視鏡で異常なしと診断された場合、米国では次の内視鏡検査は10年後に受ければよいとされています。大腸ポリープや大腸がんは発育が比較的緩徐なため、いったん異常なしと判断された場合、すぐに病変ができてしまうことが少ないと考えられているからです。しかしながら大腸内視鏡検査には見逃されてしまうポリープやがんが存在するといわれています。海外の研究では全大腸ポリープの22%、10㎜以上のポリープでも2.2%が見逃されていると報告されています。特に平坦な腫瘍は内視鏡で認識が難しいこともあると考えられます。内視鏡による見逃しを少なくするにはどうすればよいのか、学会でも重要なテーマとして話し合いが行われています。
 日本では初めて受けた大腸内視鏡で異常なしと判断された場合、勧められる大腸内視鏡検査間隔は現時点で決まっていません。前述のように大腸内視鏡には見逃しがある可能性があり、引き続き便潜血反応による年一度の検診を続けるほうが良いでしょう。 再度陽性になった場合は大腸内視鏡を受けることが推奨されますが、ポリープやがんがなくても痔核があるなどの理由で毎年便潜血反応が陽性になる人がいます。その場合、毎年大腸内視鏡を受ける意義は少ないと考えられます。2回の内視鏡で異常なしと判断された場合は、数年間大腸内視鏡を受けなくても大腸がんが見つかる可能性はかなり低いと考えられます。すなわち、過去に異常を指摘されたことがなく2回連続大腸内視鏡で異常がないといわれた場合、その後の数年間は大腸内視鏡を受ける必要性は低いといえるでしょう。


01大腸ポリープやがんの治療を受けた場合は…

大腸がんや大腸ポリープを指摘され治療を受けられた場合、次の検査間隔については担当医の指示に従ってください。大腸がんの外科手術を受けられた場合、ガイドラインにより1年後の大腸内視鏡が勧められています。大腸ポリープや早期大腸がんの内視鏡治療を受けられた場合、欧米では治療が行われた腫瘍の種類や数によって勧められる次の検査間隔が決まっています。例えば米国では、10㎜未満のポリープ(腺腫)が1~2個のみであれば次の内視鏡は5~10年後、ポリープ(腺腫)の数が3~10個であれば3年後、というような具合です。しかしながら本邦ではそのように明確な基準はありません。日本消化器病院学会のガイドラインでは、ポリープ(腺腫)の治療後は概ね3年以内の大腸内視鏡による経過観察が提案されています。本邦ではJapan polyp studyという研究が行われており、今後は推奨される経過観察の時期がより明確に決められるでしょう。


京都第二赤十字病院 河村 卓二

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