2020年に発表された日本消化器内視鏡学会のガイドラインによれば、昨年大腸内視鏡検査を受け今年も受ける必要がある方は以下の方々です。
a. 大腸がんの内視鏡治療・外科治療を行った方
b. 10個以上のポリープ(腺腫)を切除した方
c. 20㎜以上の大きなポリープ(腺腫)の内視鏡治療を行った方
その他の方は本年に大腸内視鏡検査を受ける必要性は低いといえます。ガイドラインによれば、大腸内視鏡検査の結果で勧められる次の検査間隔が以下のように決まります。
図:お勧めされる大腸内視鏡検査間隔(2020年に発表された「大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン」より許可を得て改変・引用)
40歳以上の方には年一度の便潜血検査による検診を継続することが勧められています。
ただし、特に病変がなくても繰り返し便潜血が陽性になってしまう方が存在し、そのような方に何度も大腸内視鏡検査を受けていただく必要があるかは議論があります。直近の2回の大腸内視鏡で異常が指摘されない場合の大腸がんリスクは低いと考えられ、さらに再び便潜血陽性を指摘された場合に大腸内視鏡を施行すべきかどうかは担当医とご相談をお願いいたします。
なお、便潜血を施行せず初めから大腸内視鏡を行う検診が導入される場合、異常がない場合の次の大腸内視鏡検査は5年後を目処に行うことがガイドラインで提案されています。
1年後の大腸内視鏡検査が勧められる上記の基準に当てはまらなければ、多くの場合3年後の大腸内視鏡検査が勧められます。ただし、小さなポリープ(低異型度の腺腫)を1~2個切除したのみであれば、5年後の大腸内視鏡検査でもよいとされています。
なお、大腸腫瘍を分割で切除した場合(一つの病変をいくつかに分けて切除した場合)や大腸内視鏡前の下剤の効果が十分ではなく便が残っていた場合などには、より短い間隔での検査が勧められる場合があります。詳しくは担当の医師とご相談ください。