3.3)胆・膵内視鏡検査と治療
胆嚢、胆管あるいは膵臓の病気を診断するために、口から内視鏡を挿入し行う検査です。胆・膵内視鏡検査には以下のような検査法がありますが、病変の部位、種類、黄疸の状態などによりさらに高度医療機器を駆使した検査方法もあります。
超音波内視鏡以外は原則として入院を必要とします。
(1) 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)
(2) 内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)、内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)
(3) 超音波内視鏡検査(EUS)
胆・膵内視鏡検査前の準備
検査を安全に行うために、全身状態の把握や感染症の有無について、採血検査、尿検査、心電図検査などを行う場合があります。ただしEST、EPBDの検査を施行するときは、事前に血液凝固能などをチェックしておきます。
胆・膵内視鏡検査の合併症
胆・膵内視鏡検査は、広く一般に行われております。しかし、ごくまれに造影剤などの薬剤に対するアレルギー反応、消化管出血、穿孔、胆管炎、膵炎などの合併症を起こすことがあります。万が一、合併症が起きた場合、入院や緊急の処置・手術が必要になることがあります。なお、これら検査および治療に伴う偶発症の発生頻度は全国集計(1998年から2002年の5年間)で0.219%(457人に1名の割合)でした。
(1) 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)
胆嚢、胆管あるいは膵臓の病気を診断するために、口から十二指腸へ内視鏡を入れ、そこから胆管や膵管の中に選択的に細いチューブを挿入して、造影剤を注入し、レントゲン撮影を行う検査です。まれに急性膵炎を生じることがあります。
(2) 内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)、内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)
内視鏡下に電気メスで十二指腸の胆汁排出口(ファーター乳頭)を切開する方法を内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)といい、内視鏡下に風船(バルーン)を使用してファーター乳頭開口部を拡張する方法を内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPPD)といいます。これらの検査は、胆道が閉塞して起こる黄疸を軽減したり、総胆管結石の治療時に施行されます。
全身麻酔の必要はなく、比較的安全に行われていますが、合併症として出血、穿孔、胆管炎、急性膵炎などがあり得ます。したがって入院して施行するのが原則です。
(3) 超音波内視鏡検査(EUS)
先端に超音波振動子がついた内視鏡を口から胃・十二指腸に挿入し、胆嚢,胆管,膵臓を観察するものです。体外式の超音波検査ではよく観察できない場所や、病変のより鮮明な画像を得るために行います。胆嚢ポリープ、胆管ポリープ、総胆管結石、胆管腫瘍,膵嚢胞、膵腫瘍などが良い適応になります。
近年細径超音波プローブが開発され(管腔内超音波検査)、プローブを胆管内、膵管内に直接挿入し、そこから病変の超音波画像を得ることもでき、必要と考えられた疾患において行っています。