一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 Japan Gastroenterological Endoscopy Society

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第1回 胃粘膜下腫瘍の内視鏡切除に関する研究会 ※紙上開催

5月 24日 1:30 PM - 4:00 PM

代表世話人

上堂文也(大阪国際がんセンター消化管内科)

当番世話人

七條智聖(大阪国際がんセンター消化管内科)

会期

2020年5月24日(第99回日本消化器内視鏡学会総会会期中)

→新型コロナウイルスの蔓延に伴い、抄録の紙上掲載を以て発表と替えさせていただきます。

会場

国立京都国際会館

プログラム

開会の辞(3分)

上堂文也(大阪国際がんセンター 消化管内科)

 

第1部一般演題(発表6分、質疑2分)

司会:小野裕之、森田圭紀

1. Endoscopic full-thickness resection with defect closure in the stomach by using a novel multiple

  Grasp-and-Loop (M-GAL) closure method

  Endoscopy Center, Zhongshan Hospital, Fudan University, Shanghai, China

  Jianwei Hu M.D.

2. 当院での胃粘膜下腫瘍に対する内視鏡切除の経験

  NTT東日本関東病院 消化管内科1)消化器内科2)大森赤十字病院 消化器内科3)

  港 洋平1)大圃 研1)木本義明1)、高柳駿也1)、紅林真理絵1)、鈴木雄一郎1)、平田智也1)、

  石井鈴人1)、小西隆文1)、根岸良充1)、瀧田麻衣子1)、小野公平1)、酒井英嗣1)、千葉秀幸3)、

  村元 喬1)、松橋 信行2)

3. 当院における胃GISTに対する切除術の変遷 Changes of resection method for gastric GIST

  大阪国際がんセンター 消化管内科1)、大阪国際がんセンター 外科2)

  七條智聖1、上堂文也1、金坂 卓1、山本和義2、大森 健2

4. 胃粘膜下腫瘍に対し内視鏡的漿膜下層剥離術を施行した一例

  昭和大学 江東豊洲病院 消化器センター 

  藤吉祐輔、坂口琢紀、島村勇人、篠原浩樹、西川洋平、木村隆輔、井澤晋也、角 一弥、池田晴夫、鬼丸 学、

  井上晴洋

5. 軟性持針器を用いた内視鏡的胃全層縫合術の開発

  1)神戸大学大学院医学研究科 消化器内科学分野、

  2)神戸大学医学部附属病院 国際がん医療・研究センター  消化器内科

  阪口博哉1) 鷹尾俊達1) 森田圭紀1,2)

6. 胃粘膜下腫瘍に対する内視鏡単独治療症例の検討

  如水会今村病院 内視鏡治療センター

  橋口一利

第2部一般演題(発表6分、質疑2分)

司会:阿部展次、平澤欣吾

7. 当科における胃粘膜下腫瘍内視鏡切除の現況について

  岩手県立胆沢病院 消化器内科

  萱場尚一、伊藤啓紀、谷地一真、須藤洸一郎、幕内大貴、千葉宏文、

  下山雄丞、新海洋彦、小野寺美緒、石山文威

8. 噴門近傍の壁内発育型GISTに対して内視鏡的筋層切除術を行った1例

  大森赤十字病院 消化器内科

  桑原洋紀、千葉秀幸、立川 準、岡田直也、有本 純、中岡宙子、後藤 亨

9. 上部消化管粘膜下腫瘍に対するvery slow pull method(VSPM)を用いたEUS-FNAの有効性の検討

  関西医科大学附属病院 第3内科(消化器肝臓内科)

  徳原満雄、高橋 悠、岡崎和一

10. 胃粘膜下腫瘍に対する筋層以深内視鏡的切除の周術期管理

   Perioperative care of endoscopic resection of layers deeper than the muscle layer for gastric submucosal

  tumor

  杏林大学外科 (消化器・一般)

  竹内弘久、鶴見賢直、橋本佳和、大木亜津子、長尾 玄、阪本良弘、須並英二、正木忠彦、森 俊幸、阿部展次

11. 留置スネアを用いて胃GISTを切除しえた一例

  大阪赤十字病院消化器内科

  山階 武 鼻岡 昇 瀬戸山 健 圓尾隆典 丸澤宏之

12. 胃GIMTに対する内視鏡的切除の経験 A case series study

   Endoscopic resection for a gastrointestinal mesenchymal tumor: A case series study

  横浜市大附属市民総合医療センター 内視鏡部1)、

  横浜市大附属市民総合医療センター 消化器病センター外科2)、横浜市立大学 消化器内科学3)

  平澤欣吾1, 澤田敦史1,國崎主税2, 前田愼3

第3部特別講演(口演25分、質疑5分)

司会:上堂文也(大阪国際がんセンター 消化管内科)

Development of endoscopic full thickness resection for gastric subepithelial lesions

Zhongshan Hospital, Fudan University, Shanghai, China

Ping Hong Zhou

第4部今後の相談(10分)

 

閉会の辞(4分)

小野裕之(静岡がんセンター 消化器内科)

 

抄録

1. Endoscopic full-thickness resection with defect closure in the stomach by using a novel multiple

  Grasp-and-Loop (M-GAL) closure method

  Jianwei Hu M.D.

  Endoscopy Center, Zhongshan Hospital, Fudan University, Shanghai, China

Background: The endoscopic submucosal dissection (ESD) technique developed quickly in the last decade. Its derivative, the endoscopic full-thickness resection (EFTR) enabled us to remove gastrointestinal (GI) submucosal tumors (SMTs), especially the lesions originating from the muscularis propria (MP), en bloc. Perforation always happen with EFTR. Effective closure of the wall defect is the most critical and challenging part of the EFTR procedure. Nowadays, a variety of methods and devices for GI wall closure have been introduced. When closing large GI wall defects, conventional methods such as simple clip closure is difficult, while novel devices such as over-the-scope clip (OTSC) and Overstich are expensive. Previously, we described a novel grasp-and-loop (GAL) closure method using grasping forceps and an endo-loop to close wall defect after EFTR. The GAL is safe and effective for small wall defect for the gastric wall with low tension. However, when the defect is large or with higher tension, it is often difficult to finish the GAL with only one endo-loop. In order to solve this problem, we upgraded the previous GAL method. After the first partial attempt, we subsequently performed the GAL closure multiple times to close a large defect. We named it as double or multiple GAL (M-GAL).

Objective: The aim of this study was to evaluate the feasibility and efficacy of a novel M-GAL closure using endo-loops and grasping forceps.

Methods: Among 21 patients who underwent EFTR for submucosal tumors (SMTs) originating from the MP, 9 patients received M-GAL procedure and were enrolled in this study. Double channel videoendoscope was used for the M-GAL procedure. After successful tumor resection, the resection margin was captured with grasping forceps that passed through the endo-loop, pulled into the endo-loops, then tightened gently by the endo-loop. The same procedure was repeated until the complete closure. Patient characteristics, tumor size and location, en bloc resection, procedure time, postoperative complications, pathological diagnosis and length of hospital stay were evaluated.

Results: Two lesions were located in the greater curvature of the mid-upper body and 7 were located in the fundus. The M-GAL closure was successfully performed in all the 9 patients. The mean (range) EFTR procedure time was 53 (30-100) min, while the M-GAL procedure took 15 (10-30) min. The mean (range) resected lesion size was 19 (10-35) mm. Pathological diagnoses of resected specimens were 7 gastrointestinal stromal tumors (GISTs), 1 leiomyoma and 1 heterotopic pancreas. No major adverse events occurred during or after the procedure. All the patients were discharged after a mean (range) length of 3 (2-11) days. No residual lesion or tumor recurrence was found during the median (range) follow-up period of 19 (3.3-39) months.

Conclusions: M-GAL was feasible to close a large EFTR wall defect, especially when advanced devices are not available. Further clinical studies are warranted to validate this study result.

 

2. 当院での胃粘膜下腫瘍に対する内視鏡切除の経験

  港 洋平1)大圃 研1)木本 義明1)、高柳 駿也1)、紅林 真理絵1)、鈴木 雄一郎1)、

  平田 智也1)、石井 鈴人1)、小西 隆文1)、根岸 良充1)、瀧田 麻衣子1)、小野 公平1)、

  酒井 英嗣1)、千葉 秀幸3)、村元 喬1)、松橋 信行2)

  NTT東日本関東病院 消化管内科1)消化器内科2)、大森赤十字病院 消化器内科3)

【背景】当院では、5㎝以下の病変では腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)を第一選択としているが、管腔内発育型胃粘膜化腫瘍(SMT)で潰瘍のない病変に対しては、全身麻酔下で腹腔鏡スタンバイとし、内視鏡側のみで切除可能であればそのまま完遂している。今回、当院での5㎝以下の胃SMTに対する治療成績を検討した。

【方法】

2014年11月から2019年12月までに胃SMTを内視鏡的切除で行った15例を対象に、切除成績ならびに術後経過を検討した。

【結果】

平均年齢57歳(40-76)、男女比4:11、 腫瘍の存在部位は、U/M/L:9/5/1例で,治療法は内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)・内視鏡的筋層剥離術(EMD)が6例、内視鏡的全層切除術(EFTR)が6例、経口内視鏡的粘膜下腫瘍核出術(POET)が3例であった。

平均腫瘍径24.1mm、平均切除標本径30.2mm、平均手術時間75.6分、吻合部狭窄や術後の穿孔や出血などの偶発症は認めず、平均術後在院期間は6.8日であった。観察期間(6-50か月)内での転移や再発例は認めなかった。術後最終病理診断はGIST 10例、leiomyoma 3例、その他2例であった。縫縮は、8例で止血用クリップのみで、2例で留置スネアとクリップを併用、5例はOTSC(Over-The-Scope-Clip)にて閉鎖可能であった。

 【考察・結論】胃SMTに対する内視鏡的治療の成績は比較的良好であった。全層縫合機の登場により、さらに適応を広げることができる可能性もあり、胃SMTに対する内視鏡治療は、今後の低侵襲治療法として期待される。

 

3. 当院における胃GISTに対する切除術の変遷 

  Changes of resection method for gastric GIST

  七條智聖1、上堂文也1、金坂卓1、山本和義2、大森健2

  1)大阪国際がんセンター 消化管内科、2)大阪国際がんセンター 外科

【目的】切除可能な胃GISTの治療の第一選択は外科的完全切除であり(GIST診療ガイドライン、2014年改訂、第3版)、現在は腹腔鏡下手術,ないしは腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS)を主に行っているが,腹腔鏡なしに経口内視鏡のみで切除できた症例も経験している。年代別のGIST治療法の変遷について検討する。

【方法】2005年10月から2018年2月までに初発の胃GISTに対して切除が行われた(切除検体の病理診断がGISTであった)症例の治療方法を検討した。胃GISTに対する治療が癌に対する切除術と同時に施行された症例は除外した。

【結果】期間中に115例が胃GIST切除術を施行されていた。そのうち癌に対する切除術を同時に受けていた33例を除いた82例を検討した。腹腔鏡下胃局所切除術 57例、LECS 16例、経口内視鏡切除 6例、開腹胃局所切除3例だった。46例が内腔突出型、36例が壁外突出型の腫瘍であった。経口内視鏡切除は全例内腔突出型の腫瘍に対して施行され、6例中5例が2016年以降に施行されていた。LECSは2008年以降コンスタントに施行されており、10例(63%)が体上部の病変、15例(94%)が内腔突出型の腫瘍に施行されていた。

【考察】より低侵襲な治療(LECS、経口内視鏡切除)の占める割合が増加してきており、今後、内腔発育型GISTへの適応の確立が期待される。

 

4. 胃粘膜下腫瘍に対し内視鏡的漿膜下層剥離術を施行した一例

  藤吉祐輔、坂口琢紀、島村勇人、篠原浩樹、西川洋平、木村隆輔、井澤晋也、角一弥、池田晴夫、鬼丸学、

  井上晴洋

  昭和大学 江東豊洲病院 消化器センター 

【背景】近年、胃粘膜下腫瘍(SMT : submucosal tumor)に対する治療としてFei Liuらが内視鏡的漿膜下層剥離術(ESSD : endoscopic subserosal dissection)の有用性を報告している。また我々は、ESDにおいて病変とスネアをクリップにて複数個所にて固定し牽引を行うMultipoint traction technique (Shimamura Y, Inoue H, et al. VideoGIE 2018 ; 3 : 207-208.)を報告している。今回我々は、胃SMTに対しMultipoint traction techniqueを使用しESSDを施行したので報告する。

【症例】56歳女性。胃体上部後壁小弯寄りに増大傾向のある8mm×5mm大の胃粘膜下腫瘍を認め、近医より紹介された。超音波内視鏡検査では第4層と連続する均一な低エコー腫瘤として描出され、平滑筋腫が疑われた。ご本人と相談し、ESSDの方針とした。

SMTの周囲にマーキングを行った後に粘膜下層に生理食塩水を局注、粘膜切開を施行した。その後に病変とスネアをクリップにて複数個所にて固定し病変を牽引した後、漿膜下層を局注を行わずに剥離し、一括切除を行った。病理検査結果はαSMA (+),CD34 (-),c-kit (-), S100(-)であり、平滑筋腫であった。

【結語】良性腫瘍と考えられる小さな胃粘膜下腫瘍に対して、ESSDは有用である可能性が示唆された。

 

5. 軟性持針器を用いた内視鏡的胃全層縫合術の開発

  阪口博哉1) 鷹尾俊達1) 森田圭紀1,2)

  1)神戸大学大学院医学研究科 消化器内科学分野、

  2)神戸大学医学部附属病院 国際がん医療・研究センター  消化器内科

【背景・目的】近年、海外を中心に胃粘膜下腫瘍(Submucosal tumor: SMT)に対する内視鏡的全層切除の報告がなされるようになってきたが, 内視鏡単独での壁欠損部の確実な縫縮が課題である. この課題に対して我々は,  オリンパス社と共同で軟性内視鏡の鉗子チャンネルを通過可能な持針器を用いた内視鏡単独による全層縫合術を開発してきた。全層縫合時は壁欠損部でのテンションの確保が重要である. 今回我々はこのオリンパス社製軟性持針器と新たに考案した局所トラクションデバイスを用いた全層縫合術の実現性を生体ブタ2頭を用いて検討した.【方法】胃体部後壁粘膜に長径約20mm大の仮想病変を作製し、全周性に粘膜切開を行った.スコープを一旦抜去し, 軟性持針器でトラクションデバイスを把持して胃内に挿入後, 全層欠損部の口側・肛門側に固定した. 全周粘膜切開部を全層切除後, トラクションデバイスでテンションをかけながら,壁欠損部を軟性持針器を用いて肛門側より連続縫合した. PPI内服の上1週間飼育後sacrificeをし創部を胃内外より観察した.

【結果】術中は両個体とも気腹に対する脱気処置が必要であったが, 良好な視野のもと全層縫合が可能であった. また, 両個体ともに発熱等の炎症所見はなく1週間生存した. 縫合部は内外ともに強固に縫縮されていた.

【結論】軟性持針器と局所トラクションデバイスを用いることで生体ブタの胃全層欠損部は縫縮可能であった. 当日は動画も合わせて供覧する.

 

6. 胃粘膜下腫瘍に対する内視鏡単独治療症例の検討

  橋口一利

  如水会今村病院 内視鏡治療センター 

【背景】2㎝未満の胃粘膜下腫瘍(以下SMT)は通常の内視鏡検査でしばしば遭遇するが、大半が経過観察となっていることが多い。しかし2cm未満でも悪性所見がある場合や増大傾向のもの、2cmを超えるものは腹腔鏡手術の適応となる。近年、胃腫瘍に対するESDは標準化し、部位を問わず切除可能となってきた。今回、ESDの手技を応用して経口的に摘出可能と思われる胃SMTに対して内視鏡単独治療をおこなった症例を検討した。

【対象と方法】2013年~2019年まで胃SMTに対して内視鏡単独治療をおこなった8例を検討した。全例、事前に超音波内視鏡にて胃壁外に突出していないことを確認した。ESDと同様に、マーキング、局注をおこない、最小限で全周切開と粘膜下層剥離をおこなって腫瘍を露出させたのち、最小範囲最小深度で固有筋層あるいは漿膜を切開・剥離した。

【結果】年齢は中央値75(41~81)歳、男女比は1:7、病変長径は中央値21.5(13~40)mm、病変短径は中央値15(10~25)mm、切除時間は32.5(17~330)分、部位は噴門部後壁1/前壁1、体上部前壁1/後壁2、体中部前壁1、体下部前壁1、胃角部後壁1であった。剥離深度は粘膜下層1、固有筋層上層4、漿膜下層2、漿膜1であった。使用デバイスは、フラッシュナイフ7、SOTEN1で適宜高周波止血鉗子を使用した。4例に切除面をOTSCで閉鎖した。麻酔は、手術室での全身麻酔1、内視鏡室でのプロポフォール鎮静7(そのうち1例は体動のため途中で人工呼吸管理)。病理は、GIST低リスク6例、平滑筋腫2例であった。3例に限局性腹膜炎を認めたが保存的に回復した。

【結語】胃SMTに対する内視鏡単独治療は、穿孔部を極力最小限にし、必要に応じてOTSCで全層縫合することにより選択例で実施可能と思われる。大きさは、経口的に摘出可能な短径20mmまでが妥当と考える。

 

7. 当科における胃粘膜下腫瘍内視鏡切除の現況について

  岩手県立胆沢病院 消化器内科

  〇萱場 尚一、伊藤 啓紀、谷地 一真、須藤 洸一郎、幕内 大貴、千葉 宏文、下山 雄丞、

   新海 洋彦、小野寺 美緒、石山 文威

【目的】消化器内視鏡の進歩により胃粘膜下腫瘍(SMT)は、小さな段階より病理診断が可能になってきた。治療面においては LECS などの外科手術が普及し、内視鏡的切

除についても筋層剥離術(EMD)、全層切除術(EFTR)などの報告が相次いでいる。以前より当科でも SMT に対する内視鏡的治療を行ない報告してきたが、今回当科での現況について検討を行った。

【対象】2010.8月より2018.7月まで当科にて内視鏡的切除を試みた SMT 症例、男性2例、女性6例、計8例。平均年齢 60歳(51~72歳)。

【結果】病変主座はU領域4例、M領域4例、最終病理診断は GIST 4例、NET 2例、IFP 1例、lipoma 1例、GIST は全例U領域に位置しており、管腔内発育型だった。全例 ESD にて切除を目指したが、2012年に施行した1例は穿孔により切除不能だった。それ以外の7例の平均切除時間は85.9分(49~121分)、2例に穿孔部クリップ閉鎖を施行したが、それ以外は術中・術後に特に問題となる偶発症を認めなかった。1例でスネアリング併用、1例で double scope 法により ESD 完遂した。切除し得た GIST の平均腫瘍径は24.7mm(17~30mm)、modified-Fletcher 分類低リスク群2例、超低リスク群1例だった。最長9年5ヶ月の観察期間で転移再発などは認めていない。

【考察】LECS の普及により SMT の治療は新たな局面を迎えているが、更に低侵襲となる EMD、EFTR による内視鏡的切除も今後は選択肢となり得ると思われる。3cm以下など症例を限れば、地方病院であっても ESD にて切除可能と思われた。

 

8. 噴門近傍の壁内発育型GISTに対して内視鏡的筋層切除術を行った1例

  桑原洋紀 千葉秀幸 立川準 岡田直也 有本純 中岡宙子 後藤亨

  大森赤十字病院 消化器内科

背景;切除可能なGISTに対する治療の第一選択は外科手術であるが、経口内視鏡のみで切除した症例が報告されている。噴門近傍のGISTに対して腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)下に、経口内視鏡のみで切除出来た症例を経験した。

症例

患者:70代女性。主訴:特になし

現病歴:前医にて増大する胃粘膜下腫瘍を指摘され当院へ紹介された。

上部消化管内視鏡検査:胃体上部小弯後壁に 25mm大の粘膜下腫瘍を認めた。表面にdelleは認めなかった。

超音波内視鏡検査:第4層に連続する比較的均一な低エコー腫瘤を認めた。EUS-FNAを実施しGISTの診断となった。

腹部単純CT検査:噴門近傍に20mm大の内腔に突出する粘膜下腫瘍を認めた。

経過:同病変に対してLECSを行う方針となった。腹腔鏡では病変へのアプローチが困難で時間を要した。想定される部位の近傍の組織を剥離すると、食道胃接合部から約2cm胃側で微かに透見された。続けて経口内視鏡での操作を行った。病変周囲に生理食塩水を局注し、Dualナイフにて粘膜下層の深さで周囲切開を行った。剥離を進めていくと、腫瘍を直視下に認識出来たため、外科と協議のうえこのまま内視鏡での切除を進める方針となった。皮膜損傷を避けつつ、筋層を一部剥がしながら腫瘍を摘出した。切除後筋層損傷部のみをクリップにて縫縮し手技終了とした。内視鏡での治療時間は30分、縫縮時間は5分であった。術後経過は良好で第6病日に退院となった。病理結果はGIST, 20×15mm, Ki-67index<5%で断端陰性であった。

考察・結論:噴門近くの病変は、腹腔鏡の操作が困難なことがあり、内視鏡での切除が有用であると考えられた。今後全層縫合機の登場により、深部の病変でも内視鏡のみで切除できる可能性がある。

 

9. 上部消化管粘膜下腫瘍に対するvery slow pull method(VSPM)を用いたEUS-FNAの有効性の検討

  徳原満雄、高橋悠、岡崎和一

  関西医科大学附属病院 第3内科(消化器肝臓内科)

【背景】消化管粘膜下腫瘍に対するendoscopic ultrasound-guided fine needle aspiration (EUS-FNA)の診断率は諸説あるが60-80%と決して高いものではない。さらに粘膜下腫瘍は2㎝以下になると診断率は著明に低下することが確認されている。そこで我々は診断率向上のため既存のテクニックであるslow pull method(SPM)をさらに発展させ、極めてゆっくりスタイレットを引きその間穿刺針のストロークを繰り返すスタイレットvery slow pull method(VSPM)を上部消化管粘膜下腫瘍に対するEUS-FNA全例に導入しその有効性を検討した。

【対象と方法】2019年1月から2020年1月までの12か月間で当院において施行された上部消化管粘膜下腫瘍19例(胃15例、食道2例、十二指腸2例)に対してVSPMによるEUS-FNAを行いretrospectiveに検討した。

【結果】粘膜下腫瘍平均サイズは16.1mmで診断率は94.7%(18/19)であった。診断の内訳はGIST11例、平滑筋腫5例、迷入膵2例、inflammatory fibroid polyp(IFP) 1例であった。以前行われていた当院の吸引法によるEUS-FNAの診断率は59.1%(65/110)であり診断率の向上が認められた。VSPMに伴う合併症は1例も認められなかった。

【考察】小粘膜下腫瘍においてEUS-FNAの診断率が低い理由として穿刺針が十分刺さらず有効なストロークができないこと、間葉系腫瘍や平滑筋腫などの良性腫瘍は癌と比較して細胞密度が低く細胞成分を採取しにくいこと、血液の混入、などが挙げられる。これら小粘膜下腫瘍に対して十分な細胞成分を採取するためには血液混入を極力減らすこと、ストロークの全軌跡(距離×回数)を十分確保する必要がある。VSPMにおいてはSPMよりもさらに低陰圧となるため血液混入が少ないこと、スタイレットが引き抜かれる間ストロークを繰り返すためストロークの全軌跡は極めて長くなり、かつストローク回数が多いためストローク中はfanning法などの既存のテクニックも存分に行うことができること、などが診断率の向上に寄与した可能性が考えられた。

【結語】当院で施行のVSPMは消化管粘膜下腫瘍の診断率向上のための1方法になりうると考え手技の供覧も含めて報告する。

 

10. 胃粘膜下腫瘍に対する筋層以深内視鏡的切除の周術期管理

   Perioperative care of endoscopic resection of layers deeper than the muscle layer for gastric submucosal

  tumor

  ○竹内弘久、鶴見賢直、橋本佳和、大木亜津子、長尾玄、阪本良弘、須並英二、正木忠彦、森俊幸、阿部展次

   杏林大学外科 (消化器・一般)

 [目的] 管腔内発育型胃SMTに対する内視鏡的切除(ER)のESD/筋層以深の内視鏡的筋層剥離術(EMD)と内視鏡的全層切除術(EFTR)の治療成績および術後管理を検討し,筋層以深ERに対する周術期管理について考察する.

[対象と方法]2007年以降ER施行38例を対象.ESD/EMD群23例(平均年齢60歳,GISTが13例57%:ESDが5例,EMD 18例)とEFTR群15例(平均年齢65歳,全例GIST)に分け,手術成績と臨床経過を後ろ向きに比較検討した.

[EMD/EFTR詳細] 経鼻挿管全麻下で施行.腫瘍周囲SM層レベルで亜全周-全周切開,肛門側から筋層切離/剥離して腫瘍確認し,腫瘍損傷なく筋層を掘り下げる(EMD).EFTRでは引き続き筋層深層から漿膜をintentionalに切離し腫瘍摘出を完了.筋層や全層欠損部は内視鏡的に閉鎖(止血用クリップ使用).切除/閉鎖に牽引を要すれば独立した鰐口把持鉗子を使用.EFTRで気腹著明例は経皮的腹腔内脱気を付加,全層欠損部の内視鏡的閉鎖困難例では腹腔鏡下に縫合閉鎖する.

[結果] 全例R0で切除.ESD/EMD群とEFTR群の平均腫瘍径はともに24mm.平均手術時間はESD/EMD群で有意に短く(73 vs.125分),平均出血量は両群間で有意差なし(3 vs.25 g).EFTR群では,牽引が有意に多く(1 vs.8例),4例(27%)に経皮的腹腔内脱気を,3例(20%)に腹腔鏡下縫合閉鎖を要した(いずれも前壁症例). EMD 2例に後出血を認め,内視鏡的に止血した.両群間で,術後経鼻胃管挿入率(35 vs.67 %)と術後胃透視率(9 vs.20 %)に有意差なし.EFTR群で,抗菌薬使用率(52 vs.100 %)が有意に多く,平均食事開始日(2 vs.3日)は有意に1日遅かった.WBC上昇(10000/mmm以上)率は両群間で有意差なく(9 vs.20 %),全例で栄養状態の明らかな低下や,後出血症例以外でのHb低下(1 g/dl以上)を認めず.ESD/EMD群が5POD,EFTR群が6PODで,全例体温が37℃未満になり,術後在院期間はEFTR群で有意に1日長かった(7 vs.8日).術後外科的治療を要した症例や合併症に伴う再入院を認めていない.

[考察・結論] 経鼻挿管全麻下行い,腫瘍牽引や経皮的脱気を駆使し,症例を選択(30mm以下/管腔内発育型)すれば筋層以深でもERでR0切除が可能.ERでの術後経鼻胃管はselectiveに挿入すればよく,術後胃透視の必要性は乏しい.EFTRでは抗菌薬投与を行い,経口摂取や退院をESD/EMDより1日遅らすことで安全性を確保できている.

 

11. 留置スネアを用いて胃GISTを切除しえた一例

  山階 武 鼻岡 昇 瀬戸山 健 圓尾 隆典 丸澤 宏之

  大阪赤十字病院消化器内科

背景:胃粘膜下腫瘍は日常の上部消化管内視鏡検査でしばしば遭遇するものの、多くが経過観察とされている。組織学的にGISTと診断されたものは外科的切除の適応とされているが、近年上部消化管内視鏡による切除が報告されている。今回、ESDの手法を用い、留置スネアを併用して穿孔を起こすことなく完全切除した一例を経験したので報告する。

症例:70歳台の男性。3年前より上部消化管内視鏡検査にて胃前庭部に20mm大の粘膜下腫瘍を認め、経過観察されていた。本年の検査にて増大が疑われ、また胃もたれの症状を認めたため精査加療目的で当院紹介となった。当院の精査内視鏡では胃前庭部大弯に30mm大の粘膜下腫瘍を認め、EUS-FNAでGISTの診断を得た。外科切除をお勧めしたがご本人が希望されず、十分な説明のもとで内視鏡切除を行った。フラッシュナイフを用いて全周切開を行い、可能な限り剥離をしたところ、筋層と接する被膜を認めた。筋層の剥離を試みたが、徐々に筋層が内反してきたため、これ以上の剥離は穿孔の危険があると考え、可能な限り筋層を内反させた後に留置スネアを用いて基部を絞扼した。絞扼部の上縁をフラッシュナイフにて切開し切除しえた。明らかな穿孔は認めず、絞扼部をクリップにて追加縫縮し終了した。術後経過は良好で2か月後の内視鏡検査では瘢痕を認めるのみであった。病理結果はGIST低リスク群で完全切除であった。

考察:他臓器浸潤を伴わない5 cm 以下の胃GIST の場合,リンパ節郭清を必要とせず局所切除のみで根治が得られることが多く,腹腔鏡下手術のよい適応とされている。しかし胃内腔発育型の場合は、内視鏡切除により過剰な侵襲が避けられる可能性があるため、今後の症例の蓄積が望まれる。

 

12. 胃GIMTに対する内視鏡的切除の経験 A case series study

   Endoscopic resection for a gastrointestinal mesenchymal tumor: A case series study

  平澤欣吾1, 澤田敦史1,國崎主税2, 前田愼3

  1)横浜市大附属市民総合医療センター 内視鏡部、

  2)横浜市大附属市民総合医療センター 消化器病センター外科、3)横浜市立大学 消化器内科学 

目的:当院での胃GIMT(gastrointestinal mesenchymal tumor)に対する内視鏡的切除の臨床病理学的特徴、および治療成績の検討。

対象・方法:2017年10月以降の期間で、内視鏡切除のみで完遂した胃GIMT症例7例を対象とし、臨床病理学的特徴、および治療成績を検討した。適応基準は、i)FNAでGIMTと証明されているii)EUSで大きさ30mm以下iii)LECSへの術中変更可能、を条件とした。

結果:全例、全身麻酔下で施行。7例中6例は術前EUSで管内発育型、1例が混合発育型であった。平均腫瘍径は20mm、組織はGIST6例(very low risk:4, low risk:1, moderate risk:1)平滑筋腫1例であった。6例がR0切除、1例が焼灼でわずかにR1であった。平均治療時間は34分、6例がクリップ、1例がOTSCで縫縮され、重篤な偶発症なく、平均在院日数8日で退院した。

考察・結語:胃GIMTに対する内視鏡切除は、ある適応基準下では、安全に施行できる可能性が示唆された。本報告はケースシリーズであるため、今後、適応基準の設定、安全性・有効性の他施設による検証が必要である。動画を交えて報告する。

詳細

日付:
5月 24日
時間:
1:30 PM - 4:00 PM
イベントカテゴリー:

会場

国立京都国際会館
京都府京都市 左京区宝ヶ池 〒606-0001 + Google マップ
電話番号:
075-705-1234
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