一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 Japan Gastroenterological Endoscopy Society

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寄稿:中国大連と日本の内視鏡

中国大連市は、中国遼寧省南端の遼東半島に位置する人口約600万人の近代的な港町である。多くの日系企業が進出しており、日本語を学習している中国人は約20万人もおり、中国全土のなかで最も親日的な都市である。明治時代の日露戦争後、ロシアに代わり、日本が中国大陸で初めて統治した都市で、美しい街並みを残し、数多くの殖産を行ったとされている。現在でも当時の満鉄本社、大和ホテル、大連駅などの建物が当時の姿のまま保存されている。また、大連大学附属中山医院(写真1)は、1907年(日露戦争の勝利後)、満鉄が大連鉄路病院として建設した建物を基に開設されており、現在も記念館には、当時、日本人医師が使用していた医療器具や記録集が残されている。

このような背景をもつ大連市の基幹病院である大連中心病院に平澤 大先生(仙台厚生病院)は、2012年から定期的に内視鏡指導に赴き、この6年間で内視鏡操作技術から内視鏡診断に関する理論、内視鏡センターの管理方法から人材養成のために献身的な教育指導をされてきた。また大連以外の遠方から訪れる他院の内視鏡医にも学ぶ機会を与えてきた。合計24回訪問され、300例以上の難病症例の診断・治療、二十数回の講義をされている。医療を通じた“日中友好の懸け橋”として、日中両国間の友好を深めた平澤 大先生の多大なる貢献に対し、本年8月11日には大連市日中友好協会から「日中友好大使(使者)」賞が授与された(写真2右は、大連中心病院内視鏡部長の張晶先生)。なお、大連中心病院は、副院長、病理部長、内視鏡部長の張先生をはじめ、多くの先生が日本に留学した経験をもち、日本語会話が通常に行われている施設であり、内視鏡の診断・治療レベルは、日本の一流病院に匹敵するほどである。

2018年8月
文責:日本消化器内視鏡学会理事長 田尻久雄

写真1:大連大学附属中山医院
写真1:大連大学附属中山医院
写真2:(左)仙台厚生病院 平澤 大先生 (右)大連中心病院内視鏡部長 張晶先生
写真2:(左)仙台厚生病院 平澤 大先生 (右)大連中心病院内視鏡部長 張晶先生

第107回日本消化器内視鏡学会総会

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