一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 Japan Gastroenterological Endoscopy Society

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2022年 年頭所感

理事長
井上 晴洋

 

 2022 年の年始にあたり、ご挨拶を申し上げます。

 

 昨年2021年も、未曽有のコロナ禍がつづき、大変な1年でした。なかなか感染収束の方向には向かわず、むしろ感染の増加傾向という困難の中、第101回日本消化器内視鏡学会総会(2021年5月14-16日)が広島において、田中信治会長のもと盛会裡に開催されました。万全の準備を尽くしたハイブリッドでの開催でした。その甲斐もあり、直前の感染拡大にもかかわらず、多くの参加者がWEBで安全に参加できました。また現地参加者にも自治体の基準に従い、しっかりとした公衆衛生上の対応がされており、ハイブリッド開催の利点を最大限にとらえた総会となりました。総参加者は8,300名を超え、とくにWEB参加について、子育て中の女性医師や地域医療でご活躍中の先生方からは、とても助かったとの声をいただきました。テーマは「内視鏡医学とScientific artの探究」でした。田中信治会長の内視鏡医療を追求する科学的かつ真摯な姿勢が示されたテーマでありました。

 

 この会期中に日本消化器内視鏡学会第100回総会記念式典が開催されました。1959年の本学会の発足以来、これまでのJGESの歩みが展示・供覧され、多くの祝辞をいただきました。さらに秋篠宮皇嗣殿下から、ビデオメッセージをいただき、これまでのJGESの活動に対する高い評価と今後のさらなる発展を期待する旨のご講話を賜りました。会員一同にとって、大変光栄でありました。

 

 この第100回総会の節目を迎えるにあたり、日本消化器内視鏡学会総会100回記念号が、和文誌の特集号として昨年、発刊されました。JGESの輝かしい業績の一端を海外の先生がたにもご覧いただくために、同号の英語版、History of Endoscopy – The 100th Anniversary of JGESも、DENの特集号として、本年中に発刊予定であります。

 

 さらに第45回日本消化器内視鏡学会セミナーは、2021年9月にコロナの感染状況がピークを迎える中、八尾建史会長のもと、ハイブリッド開催が予定されておりましたが、参加者の安全を優先されて、完全WEBで開催されました。テーマとして「日本消化器内視鏡学会ガイドライン:作成委員長からのメッセージ」をとりあげられました。八尾会長の診療に対する姿勢が示されたテーマで、2,130人という多くの参加者がありました。

 

 幸いにもコロナ新規感染者数が減少傾向にあるなか、第102回日本消化器内視鏡学会総会(JDDW2021、2021年11月4-7日)が、山本博徳会長のもとハイブリッドで開催されました。現地で3, 700人以上の参加、JDDW全体で22,000人を超える参加者があったと伺っております。現地会場およびオンデマンド配信ともに盛況を博しました。私自身も山本会長ととともに国際セッションを担当させていただきましたが、海外からのWEBでの講演、討論とも鮮明かつ時差をほとんど感じず、あらためてWEB環境の普及と安定に感心いたしました。

 

 昨年は、DENの姉妹誌であるDEN Open誌(Editor-in chief: Takao Itoi)が4月に発刊されました。予定を上回るたくさんの投稿をいただき、掲載論文も順調に増えております。早期のPubMed掲載が期待されます。

 

 DENは、昨年、Impact Factorが7.559に上昇し、飛躍的な成長をとげております。どちらの機関誌も、ここまで成長できましたのは投稿いただいている多くの先生方、および編集スタッフの皆様のご尽力の賜物であります。

 

 FJGES(Fellow of JGES)は、JGESに貢献のあった国内外の内視鏡医にFellowship称号を提供するもので、新しく創設されました。今年で4年目を迎え、国内的にも国際的にも定着しつつあります。米国ASGEに同様の制度があり、ともに国際的に活躍される内視鏡医の象徴になれればと願っております。

 

 コロナ禍の中、専門医試験、内視鏡技師試験ともに、中止・延期を余儀なくされておりましたが、CBT方式での開催を本年おこなうことに決定しております。前代未聞のコロナ禍の中、社会全体としましても、このような試験の開催方法について、さまざまな検討がなされております。そのような中で、多くの組織に採用されているCBT方式での感染対策上安全な方法に期待が集まっております。

 

 昨年中も、医療安全委員会を中心に、コロナ禍の中での内視鏡診療の在り方についてのステートメントが経時的に追加報告されました。和文、英文での発信となり、高い評価をいただきました。

 

 今年はスクリーニング認定医制度が新規導入されます。内視鏡検診でご活躍のクリニックの先生方を中心にお役に立てればと願っております。

 

 またJGESは、消化器系最大の学会の1つであり、これまで以上に健全な運営・経理を担保する目的から、昨年より新たに外部の独立した監査法人による経理・運営のチェックを受けるシステムを導入しております。

 

 紙面の都合上、すべての委員会の活動を記載できませんが、各委員会とも会員の皆様へのサービスの向上に向けて粛々と活動を続けております。

 

 歴史を振り返りますと、本学会は1959年に第1回が開催されました。それ以降、多くの先輩諸氏のご尽力の甲斐あり、現在では、会員34,000人を超える大きな学術団体に発展しております。学術的には、当初、病変を見つけて生検診断するという内視鏡から、粘膜癌を切除するEMR/ESDへと進化し、さらに粘膜下層内視鏡(Submucosal endoscopy)、内視鏡的全層切除法へと進展しています。また、胆膵内視鏡、Interventional EUSの進歩は目を見張るものがあります。JED(Japan Endoscopy Database)も新専門医制度の整備とともに着実に発展しております。さらにAI診断やICT(Information and communication technology)、CAD(Computer-assisted diag-nosis)など、時代を先んじる診断と治療が展開されています。

 

 本年は、コロナパンデミックが収束に向かい、またこの間に培われたWEBの技術などとも相まって学会開催方法のハイブリッド化という新しいプラットフォームの定着と改善のもと、さらなるJGESの発展を願うばかりです。患者様へ、低侵襲の消化器疾患の内視鏡診断と治療を提供するJGESのさらなる発展は内視鏡医学に対する社会的必然性と相まって疑う余地がありません。

 

 本年5月13日から、第103回日本消化器内視鏡学会総会(緒方晴彦会長)が京都において、ENDO2022(President. Fabian Emura, Co-President. Hisao Tajiri)と同時に開催されます。盛会のため、会員諸氏の御協力をお願い申し上げる次第です。

 

 JGESの国際化は、先輩諸氏の尽力により、着実に進んでまいりましたが、今後、更に国際的発信力が高まっていくことを願っております。JGES Internationalの検討も進めており若手の日本の内視鏡医がこれまで以上に国際的に活躍され、人類の消化器診療の更なる向上に貢献されることを願っております。

 

New Year Greetings from the JGES President (English)