2026年01月06日学会
2026年 和文誌編集委員長より新年の御挨拶
和文誌編集委員会
編集委員長 岡 志郎
会員の皆様、新年明けましておめでとうございます。昨年は米国のトランプ政権の発足や本邦では憲政史上初の女性首相誕生など政治面において大きな動きがありました。社会面では、人口の約5人に1人が75歳以上の後期高齢者となり、社会保障の負担増や労働力人口の減少などのいわゆる「2025年問題」、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の遅れによって予想される2025年以降の経済損失の総称である「2025年の崖」の始まりの年でもあり、社会構造の変革が待ったなしの状況です。われわれの医療界に目を転じると、多くの病院が経営難の状況にあります。2024年度における自治体病院の決算状況は、経常赤字が86%、医業赤字が95%と報告されており極めて危機的な状況です。新政権には2026 年度に大幅な診療報酬改定や補助金交付を期待したいところですが、長期的には医療を取り巻く環境はますます厳しくなっていくことは避けられないでしょう。また、2024年4月から始まった「医師の働き方改革」によって、医師の年間労働時間に960時間の上限が設けられ、月間労働時間が100時間未満に制限され、医師の健康を守るための追加的健康措置も義務化されました。導入から約2年が経過し、各医療機関で「タスクシフティング」を含めて試行錯誤の中で診療体制が確立されつつあるのではないかと推察します。このような厳しい状況の中にもかかわらず、本誌に貴重な玉稿を投稿いただきました先生方にこの場を借りて深謝申し上げます。上述の「医師の働き方改革」の影響もあるとは思いますが、本誌への投稿数は最近減少傾向です。この点に関して本誌の編集委員間で危機感を共有し、編集委員会として投稿数の増加に向けて様々な対策を講じております。最近では、総会、各支部例会において投稿をお願いしたい発表をされました演者に対して本誌の名刺を編集委員から直接配布させていただく活動を開始しました。名刺を受け取られました会員の皆様におかれましては、ぜひとも積極的に玉稿をご投稿いただけますと幸いです。なお、本誌の特徴としては「投稿論文全てに査読が付くこと」「本学会専門医申請・更新時の業績ポイント」「本学会指導医申請時の必須業績ポイント」「J-STAGE、電子書籍KaLibでの公開」「掲載論文が和文誌学会賞の選考対象」が挙げられます。本学会英文誌よりも投稿のハードルは低いと思いますので、研修医の先生方にも学術誌へ投稿する最初の登竜門としてぜひご活用いただければ幸いです。
本誌編集委員会に関してですが、昨年度は久方ぶりに編集委員の入れ替えもなく非常に安定した環境で運営を続けることができました。なお、月1回開催の編集委員会は「医師の働き方改革」に合わせて、従来要していた2〜3時間から1時間以内に収まるように運営の工夫を重ねることで、ようやく世の中の潮流に順応できました。この場をお借りして編集委員の先生方の多大なる貢献・エフォートに対して敬意を表したいと思います。また、大変お忙しい中にもかかわらず丁寧な査読をいただきました査読委員の先生方にも心より御礼申し上げます。本誌のさらなる活性化と充実に向けて本誌編集委員ならびに査読委員が力を合わせて鋭意努力してまいりますので、会員の皆様におかれましては引き続きよろしくお願い申し上げます。
最後になりますが、会員の皆様のご健康とご多幸を心からお祈り致しまして、新年の挨拶とさせていただきます。