一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 Japan Gastroenterological Endoscopy Society

  1. TOP
  2. 医療関係のみなさま
  3. お知らせ
  4. 国際関係
  5. 第3回世界内視鏡学会(WEO) (ENDO 2022)開催とFabian Emura先生について

第3回世界内視鏡学会(WEO) (ENDO 2022)開催とFabian Emura先生について

 2022年5月13日から15日に京都で第103回日本消化器内視鏡学会総会(会長:慶應義塾大学医学部内視鏡センター 緒方晴彦教授)と第3回世界内視鏡学会(ENDO 2022)が合同開催されることになった。第3回世界内視鏡学会(ENDO 2022)が日本で開催されるに至った経緯とENDO 2022の会長を担当するWEO PresidentのFabian Emura先生についてご紹介したい。

 Fabian Emura先生(以下、親愛をこめてFabianと略す)は、2020年3月からWEO Presidentに就任されるが、姓名で推測できるように日系3世である。そのルーツは、山口県周南市に祖先がある江村家であり、祖父の江村留雄氏率いる一族が、1929年(昭和4年)に南米コロンビアに向けた日本からの最初の移民船に2か月かけた航海で、コロンビアのValle県 Corinto市に移住して、当地で開墾した生活に始まる。その後、Fabianの父親である江村Shoji氏が生まれ、成人されて当地域で絶世の美女と言われたコロンビア人女性と恋愛結婚されたと聞く(Fabianの母親)。その後、幾多の困難を重ねられ、江村家は当地で大成功を治められ、1966年(昭和41年)にFabianが誕生した。

 

 

 

 幼少時より、才能に溢れたFabianは、難関のValle大学医学部に入学され、卒業後は外科学教室でトレーニングを積まれた。自分のルーツである日本で学びたいという強い意志のもと、日本の文部省(現:文部科学省)の奨学金制度に応募してグラントを獲得後、筑波大学消化器外科大学院に留学され、博士論文を取得された(1999年から2003年)。その後、約3年間、国立がん研究センター中央病院内視鏡センターで日本の医師ライセンスを得て、内視鏡診断から治療全般を斎藤豊先生、松田尚久先生、小田一郎先生などの元で研鑽された。当時は、ESDが開発された時代で、その新しい手技であるESDをもマスターされて、コロンビアに帰国した。帰国後いち早く、南米で初の胃癌ESDを行い、さらに日本流の内視鏡診断学・治療法の普及活動を精力的に行い、南米の学会のみならず、マスメデイアにも広く取り上げられ、注目されるトップドクターとして有名になっていった。その後、コロンビア内視鏡学会President (2014年~2016年)、中南米内視鏡学会InterAmerican Society of Digestive Endoscopy (SIED):President(2014~2016)となり、2017年からWEO President-Elect、2020年からWEO Presidentに就任することになった。

 第1回世界内視鏡学会(ENDO 2017)は、2017年2月にインド・ハイデラバード(会長:Nageshwar Reddy先生)で開催された。第2回世界内視鏡学会(ENDO 2020)は、2020年3月にブラジル・リオデジャネイロでブラジルの消化器関連学会と合同開催される。第3回WEO (2022年)開催地については、2019年春に開催されたWEO役員会議で、FabianがJGESサポートの下、自分の第2の故郷(祖先のルーツ)である日本開催を提案して、全員一致で日本開催が決定したという経緯がある。

 なお、WEOと日本消化器内視鏡学会(JGES)との関わりは深い。WEOの前身は、International Society of Endoscopy (ISE)であり、1966年に設立され(President:田坂定孝先生)、第1回大会は東京で開催された。1974年にメキシコで第3回ISEが開催された時に、名称をOMED (the Society of Organization Mondiale d’Endoscopie Digestive)とすることになり、1978年まで田坂定孝先生が初代Presidentを務められた。その後、アメリカ大陸、欧州、アジアの順でPresidentが歴任され、1990年から1994年まで﨑田隆夫先生、2002年から2005年まで丹羽寛文先生がWEO Presidentを担当された。アジアでは香港のWilliam Chao先生が2013年にPresidentに就任したが、任期途中にご病気のため退任され、Nageshwar Reddy先生が残りの任期を担当した。なお、2010年にOMEDの名称を英語表記 “World Endoscopy Organization” (WEO)に変更して今日に至っている。

 2017年2月から2020年3月まで親日家であるフランスのJean-Francois Rey先生がPresidentを務め、WEOのさらなる改革を進めてこられた。私(田尻)は、2019年1月のAPSDE役員選挙でPresidentに推薦、2019年5月のWEO役員会議で正式に承認され、2022 年からWEO President就任する予定である。

 WEOの歴史的事項、現在行っている教育・研究を含めた世界的な活動状況については、別の記事としてまとめる予定である。

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Fabian Emura先生(左)と田尻

 

文責:

田尻久雄、世界内視鏡学会WEO President-Elect (2020~2022) 、WEO President (2022~)


≪関連記事≫

世界内視鏡学会 (WEO) の歴史と現在の活動

参加登録詳細はこちら